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「社会保障と税の一体改革説明会in東京」開催結果について

結果概要

社会保障と税の一体改革説明会in東京の様子

【開催日時】
 平成26年3月25日(火)14:00~16:00
【開催場所】
 文京シビックホール(文京区)
【プログラム】
 第1部:国の財政事情、社会保障と税の一体改革 等 【財務省】
 第2部:社会保障制度改革 等 【厚生労働省】
 第3部:中小企業支援を中心とした好循環実現のための経済対策 等 【経済産業省】
 第4部:質疑応答
【参加者数】
 235人

説明会での主なご質問と回答

(ご質問)
説明を聞いて、消費税率引上げの必要性や増税分の使途がよく分かった。消費税率の引上げは、家計には負担であるものの、やむを得ないと思った。他方、消費税率が8%、10%と引上げられるにしたがって、高齢者や低所得者の税の負担感が増していくことを考えると、生活必需品をある程度線引きをして、非課税措置や軽減税率を導入していく必要があると思われるが、現在の検討状況を聞かせていただきたい。
() (回答)
欧州など諸外国では、食料品を中心に一定の物には低い消費税率(付加価値税率)を適用する制度を導入している国があります。我が国でも、そうした複数税率の制度を、低所得者に配慮する観点から総合的に検討するということが平成24 年に成立した税制抜本改革法に規定されています。しかしながら、複数税率制度の導入のためには、多くの検討すべき課題があり、現在主に与党において議論が行われています。課題の1 点目は、軽減対象の品目をどうするのかという点です。例えば欧州での軽減税率の適用対象をみますと、牛肉であれば、生きた牛も対象としている国があります。牛肉はどの段階から食べ物になるのか判断が難しい問題です。また、多くの国で、外食は標準税率とされていますが、ハンバーガーをその場で食べた場合と持ち帰った場合で税率を変えるのか、300円の牛丼は標準税率で、デパチカで買う100 グラム1000 円以上の高級和牛には軽減税率を適用するのかといったことも議論になるところです。2 点目は、納税義務者である事業者の方の煩雑さ、手間の問題があります。欧州では、事業者に事業者番号を割り当てた上で、請求書・領収書に税率・税額を記載するインボイスという方式が一般的です。複数税率を入れる場合には、税率に応じて商品の区分をする必要がありますので、このインボイス制度の導入が基本になりますが、中小企業の方をはじめとする事業者の事務負担をどうするのかという議論があります。3 点目は、社会保障に充てるための財源の問題があります。消費税率1%で約2.6~2.7 兆円の税収がありますが、仮に飲食料品全般に軽減税率を導入すると1%あたり6~7,000 億円くらいの減収になりますので、その分は社会保障に使える予算が少なくなるという問題があります。このような点を踏まえ、現在、与党において議論がなされているところです。 

(ご質問)
国の財政状況がどうなっているのか、正しく可視化するためには、単式簿記的な発想ではなく、複式簿記により公表していくことが大事であると考えているが如何か。
(回答)
企業会計の考え方で国の財政を表すべきという議論は常にあり、財務省では、国のバランスシートを作成し、それを毎年公表しているところです。ただ、国の財政と企業の財務を比較するのは難しい点がいくつかあります。例えば、道路や橋の評価は、企業の資産を評価するのとは異なりますし、企業の売上はある程度他律的に決まってくるのに対し、国の収入である税収は国で上げたり下げたりすることができます。さらには、将来債務の評価も企業会計とは異なります。国には年金の積立金が金融資産として多額にある一方で、将来的に今の制度で年金を払わなければいけない債務があり、この債務をどう評価するのか、企業年金とは制度面や対象期間においてかなり違いがあります。企業会計とはこのような違いがありますが、きちんと前提を付記するなど、できるだけわかり易く作成していきたいと考えています。

(ご質問)
低所得者(市町村民税が課税されていない方)に対し1 人あたり1 万円を支給する臨時福祉給付金について、1 回限りの給付がもたらすメリットと支給に要するコストを比較した場合、コストに見合うメリットがあるのかが疑問である。臨時福祉給付金の趣旨やその効果(メリット)について説明していただきたい。
(回答)
平成24 年に成立しました税制抜本改革法の中に、低所得者対策について検討せよという条項が設けられています。これは、高所得者の方は消費も多いことから低所得者よりも消費税を払う額は多いわけですが、収入に占める割合でみますと低所得者の方が高く、全体の収入に比べ低所得者の消費税の負担比率が高所得者よりも高いという特徴があります。この消費税のいわゆる逆進性への対応のため、軽減税率又は給付付き税額控除のいずれかの導入、これが導入されるまでのつなぎとして簡素な給付措置を行うことが法律で規定されています。これを受け、臨時福祉給付金(簡素な給付措置)を支給することが決まりました。支給額1 万円の考え方については、平成26 年4 月から、消費税率の10%への引上げが予定されている27 年10 月までの1 年半分の食料品の支出額の増加分を参考にしています。

(ご質問)
財務省の説明資料の10 ページ「社会保障の安定財源確保」を見ると、消費税率が10%に引き上げられた場合、社会保障4経費と消費税収の差額が26.6 兆円から19.3 兆円に縮小されることとなっている。今回の消費税率の引上げ分は、すべて社会保障の財源に充てることが法律に明記されているが、19.3 兆円という差額を明示している趣旨は、将来的に、更なる消費税率の引上げにより、この不足分を賄っていくことを検討されているということか。
(回答)
 社会保障だけでなく、借金で賄っている部分をどのように縮小していくかについて、これから議論することになっています。2020 年度までに基礎的財政収支の黒字化を達成するということが、今の日本の財政再建目標になっています。歳出をカットしつつ税収を増やす、経済成長により税収を増やすなど、財政再建にはいろいろな道筋が考えられますが、いずれにしても誰も痛みを感じずに財政再建が達成できるとは思っていません。これをどういう形でやっていくのかということはまさにこれからの議論であり、現状では決まっていません。 
 
(ご質問)
自身が支払ってきた厚生年金や国民年金の保険料総額と、平均寿命で考えた場合の給付総額とを比較すると、団塊世代では見合うかもしれないが、それ以降の世代では保険料の方が上回るような試算が出ている。加えて支給開始年齢がさらに引き上げられる可能性があるように聞いている。現行の年金制度が賦課方式であって貯金ではないことは承知しているものの、保険料と給付額のバランスや将来世代の社会保障制度に対する信頼感をいかに確保していこうとしているのか、説明していただきたい。
(回答)
年金やその他の社会保障の給付に関し、世代間での損得を比較する議論があることは承知していますが、まず、この計算をするにあたって前提の置き方で違いがでてくるということとともに、昔の世代と今の世代とでは社会保障や年金の果たす役割が変わってきていることに留意する必要があります。例えば、昔は家族で親の介護や仕送りをしていたものが、現在では社会保障制度や年金制度の充実によりある程度対応できるようになるなど、制度や家庭の役割分担が変わってきています。また、想定外に長生きをされた場合、民間の保険や貯蓄は取り崩せばなくなるものの、年金は終身支給され、こうした長生きリスクにも対応できるようになっています。このほかに、事故等により障害を負われたときの障害年金や、旦那さんが亡くなられたときの遺族年金など、こうしたリスクに対応した特別な年金もあります。このように、年金は単に貯蓄ということだけではなく、リスクに対して社会的にきちんと対応するという面があり、こうした点も評価すべきではないかと思います。他方、御指摘のとおり、社会保障制度に対し若い世代から信頼を得ることは非常に大事なことであり、若い世代にも目配せできる社会保障制度にしていくことも重要であると考えています。
(補足)
 御指摘の点に関し財務省の立場で補足させていただきますと、基礎年金について、従来は国の負担割合は3分の1であったものが、平成21 年度より2分の1に引き上げられています。引上げ分の財源を確保するのにこれまで四苦八苦してきましたが、今回の消費税率引上げ分はこうした財源にも充てられているということをご理解いただければ幸いです。

(ご質問)
年金制度に対する若い世代の不信感が今後改善していくことはなかなか想像しがたいのではないか。現行制度には、リスクに対して社会的にきちんと対応するというメリットがある一方で、その基盤となる国の財政自体が危うい状況にあり、若い世代に年金制度の持続性を理解してもらうことは難しいのではないか。長い時間をかけて賦課方式から積立方式に移行していくという方法も考えられるが、この点に関しどのように考えているのかを説明していただきたい。 
 (回答)
積立方式に移行するにあたっては、今の高齢者の方への給付と、自身の積立て分の負担といった二重負担の問題が生じます。長期に渡ってならしていけば解決できるのではないかとのご提案もありますが、この場合であってもさまざまな課題が想定されます。例えば、国債を新たに発行しなければいけないことにもなりますが、財政的な安定性が確保できるのかといった問題、運用環境の変化によって公的年金本体が揺らぐようなことにならないかといった運用リスクへの懸念もあります。さらには、積立方式も人口構造の変化に影響を受けないとは必ずしもいえず、積み立てられた年金資金が、30~40 年後の将来の経済状況でその価値をそのまま維持できるのかどうかといった問題もあろうかと思います。このような点に関し、かなり多面的にきちんと検討していく必要があると思います。

(ご質問)
団塊の世代が75 歳を迎える2025 年度にかけて、医療・介護の給付費が急激に増加する問題への対応のため、消費税率引上げ分のうち1.5 兆円は医療介護の充実に充てるとのことです。この点に関し、高齢化のスピードは地域によって違うことから、医療・介護の充実に先行して取り組む地域に予算が重点的に配分され、その他の地域での対応が後回しになるといった地域間格差が生じることになるのではないか。
(回答)
今後の医療・介護を考える上で、地域の役割は非常に重要なポイントとなります。今回の医療法の改正により、都道府県レベルで、地域完結型の医療・介護に向けどのように医療機関や介護施設と連携して取り組んでいくのかといった医療ビジョンを作成していただくことになっています。市区町村のアイデアもとり入れながら、医療ビジョンの作成を通じて、地域ごとのプランをきちんと作成していただき、そのプランに基づいた施設や連携拠点の整備などに必要な予算は、消費税財源をきちんと配分するというスキームになっています。地域の力量が大きなポイントになっていくと思います。 
 
(ご質問)
子育てをしている立場から2 点ほど申し上げたい。1 点目は医療分野の話で、医療機関や医師の捌きが悪いため診察に無用な時間がかかるケースがある。例えば、医療機関内の連絡がしっかりしていて、検査、診察がスムーズにできている病院がある一方で、診察開始時間に診察が始まらず、こちらのオーダーも医師に伝わっていないため改めて説明しなければならない病院もある。医療機関の効率性の向上はお金をかけずにできるため、こうした点にも是非取り組んでいただきたい。2 点目は待機児童の話で、子どもに障害がある場合、自治体によっては待機児童のカウントにも入れてもらえないケースもあるようなので、こうした点も承知した上で対処していただきたい。
(回答)
1 点目について、医療機関も努力されていますが、効率化することで患者に対するサービス向上に繋がっていく面もあり、そういった視点は大事かと思います。また、2 点目について、地域によっては障害を抱えているお子さんが保育園に入れないという問題があることは承知しています。ただ、今度新しくできる子ども子育て新制度では、障害を抱えた方を預けられるときの保育士の加算や制度給付などに関し議論がなされているところであり、いただいたご意見を踏まえて、引き続き検討していきたいと思います。
 
 
 
 

 

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